外国人に係わる法律(在留資格 入管法等)

 外国人の日本への入国・上陸・在留に係わる法律には、次のような法律があります。
※ サイトの記述内容について、法改正による修正が完了していない部分があることをご了承ください。

「出入国管理及び難民認定法」(入管法)

kokki 日本に入国、又は日本から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする法律です。  「すべての人の出入国の公正な管理」なので、日本人も含んでいますが、法の大部分が外国人の出入国・在留に関するもので、国内に居住する外国人が出入国する場合や外国人が日本国内に居住・滞在する場合には、入管法による許可を受けなければならないと定めています。

移民や単純労働者を受け入れない入国管理政策

 日本では、アメリカやカナダなどのように移民を受け入れる政策を執ってはいません。 単純労働者を受け入れてはいないので、あらかじめ活動内容に応じて30種類の在留資格を設定し、その在留資格の要件に適合する者の上陸・在留を許可しています。

常時単一の在留資格
外国人が日本国内に居住・滞在するには、入管法で定める常時単一の【在留資格】を持って在留しなければなりません。 日本で行おうとする活動やその身分により30種類の在留資格があり、いずれか1つの在留資格を取得していなければ、日本に居住・滞在する事は出来ません。 さらに、取得した在留資格には、日本における活動の範囲が制限されており、在留可能な期限が設定されています。 在留資格と在留期限は、上陸手続きや在留資格変更・在留期間更新手続きなどにより付与され、上陸手続きを経ずに上陸すれば「不法入国」、在留資格変更許可を受けないで、もっている在留資格で認められていない活動で報酬を得れば「不法就労」、在留期間を更新しないで在留期限を過ぎて滞在すれば「不法残留」となり、入管法違反により刑罰を受けたり、退去強制(強制送還)となります。 また、退去強制となった場合には、一定期間又は永遠に日本には上陸できません。

外国人の入国・在留の権利
外国人の入国・在留の許可については国家が自由に決定でき、これは国際慣習法として確立しています。 入管法はほとんどの条文が「法務大臣は許可することができる。」となっており、「許可しなければならない。」とはなってはいないので、法務大臣の裁量を広範囲に認めた規定となっています。

【参考】憲法上、外国人は、我が国に入国する自由を保障されているものではない~在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されているものでもない。・・・昭和53年10月4日大法廷判決(マクリーン事件)

「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(入管特例法)

 戦前から日本に在留している在日韓国人・朝鮮人・台湾人の法的地位の安定化を図る為、日本への定住性を考慮し、永住を許可するものです。 この法に基づく「特別永住者」は、以前上記の「入管法」の中で規定されていましたが、1991年11月1日にこの法が施行され、該当する人たちの在留に至る歴史的経緯から「入管法」上の在留資格に比べ安定した法的地位や処遇を定めています。 詳しくは<参照リンク:特別永住者>をクリックしてください。

<参照リンク:特別永住者>

「住民基本台帳法」

 日本に滞在する外国人で、「在留カード」や「特別永住者証明書」を交付された人や出生又は日本国籍を喪失した外国人は、日本人と同様に住民票に搭載されます。 よって、住所を移した場合には、転出届や転入届をする必要があります。 この届出により市区町村から住居地情報を法務大臣に通知されます。 また、入国管理局で在留資格変更や在留期間更新手続きを行うと、法務大臣から市区町村へこれら変更について通知され、住民票の記載内容が修正されます。

住民票に登録される内容
① 氏名
② 出生年月日
③ 男女の別
④ 世帯主の場合は世帯主の旨、世帯主でない場合は世帯主の氏名とその続柄
⑤ 住所(及び転居した場合はその住所を定めた年月日)
⑥ 転入した場合、住所を定めた旨の届出年月日と従前住所
⑦ 国民健康保険の被保険者の資格に関する事項
⑧ 後期高齢者医療の被保険者の資格に関する事項
⑨ 介護保険の被保険者の資格に関する事項
⑩ 国民年金の被保険者の資格に関する事項
⑪ 児童手当の受給資格に関する事項
⑫ 米穀の配給に関する事項
⑬ 住民票コード
⑭ その他政令で定める事項
⑮ 国籍等
⑯ 外国人住民となった年月日
⑰ 中長期在留者等である旨
⑱ 在留カードに記載されている在留資格、在留期間、在留期間の満了日、在留カード番号 

<参照リンク:在留カードについて>

旅券について(「旅券法」)

 日本人の旅券の発給、効力その他旅券に関し必要な事項は「旅券法」に定められています。出入国管理は法務省所管ですが、旅券については外務省となります。

旅券(パスポート)とは・・・所持人の国籍、人物を証明し、外国における入国・滞在について便宜供与を依頼する公文書で、日本の旅券には次のような記載があります。
「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう関係の諸官に要請する。 日本国外務大臣」とあります。
日本人及び外国人の出入国については、有効な旅券の所持が要件となります。
単に旅券を所持しているだけではなく、真正な(偽造でない)旅券で有効期間内のものでなければなりません。

旅券(パスポート)の種類
① 本国政府が発給した一般的に使用されている旅券
② 国連等の国際機関の職員等に発給した旅行証明書
③ 難民旅行証明書や外国人旅券等の旅券に代わる証明書
④ 無国籍者など有効な旅券を所持しない外国人に日本国総領事館等が発給するもの

旅券と外国人の出入国管理との関係
【入国】
当然のことながら入国時点で旅券を所持し、有効期間内でなければ入国できません。在日大使館・領事館で有効期間延長許可を受けることができれば、入国できますが、延長手続が終わるまで、空港などの上陸港に足止めされます。

【在留】
在留中は有効な旅券を携帯しなければなりません。(中長期在留者は在留カードの携帯に代えることができる。) 有効期間が経過する場合は、在日大使館・領事館で有効期間の延長又は新たな旅券の発給を受ける必要があります。 また、有効な旅券を提示しなければ在留期間更新や在留資格変更は許可されません。 新しい旅券の交付を受けたときは、入国管理局において旧旅券の上陸許可証印などの在留許可に関わる証印を新しい旅券に転記してもらうことができます。

【出国】
出国しようとする場合も有効な旅券が必要で、期間経過している場合には、有効期間の延長をしておかないと出国できないことがあります。 また、再び日本へ戻ることを予定して出国する場合には、在留カードを提示し、再び入国する意図を表明した書面を提出して出国するするみなし再入国許可制度を利用するか、事前に再入国許可書の発給を受けて出国しなければ再入国できなくなります。

< 参照クリック:再入国許可 >

外国人に対する行政サービスと根拠法

 外国人に対する行政サービスには次のようなものがあります。

根拠法 行政サービス 正規在留者 非正規在留者
国民健康保険法 国民健康保険 1年以上の在留資格 対象外
高齢者の医療の確保に
関する法律
後期高齢者医療制度
健康保険法 健康保険 就労可能在留資格
雇用保険法 雇用保険
児童手当法 児童手当 日本国内に住所を有する者
児童扶養手当法 児童扶養手当
国民年金法 国民年金
生活保護法 生活保護 永住者及びその配偶者
定住者、日本人の配偶者等
の在留資格者、特別永住者
難民認定を受けた者
については生活保護法準用。
人道上必要な場合は
他の在留資格
でも認められる場合有り。
行旅病人及び行旅死亡人
取扱法
行旅病人の救護 対象
母子健康法 母子保護(母子健康手帳交付
未熟児養育医療の給付)
感染症の予防及び感染症
の患者に対する
医療に関する法律
結核予防(健康診断)
国際人権規約 A規約 児童教育

行政書士の在留資格に係わる業務(申請取次行政書士とは)

 イワタ行政書士事務所(愛知県江南市)は、申請取次制度による許可を受けた行政書士が、在留資格認定証明書交付申請、変更、更新手続きなどの申請取次業務を受任します

 入管法による手続きにはビザを取得する為の在留資格認定証明書交付申請や日本での在留中の在留資格変更、在留期間更新の手続などがあり、入国管理局に対する申請は、本人が出頭して行うのが原則ですが、申請取次制度により許可を受けた行政書士は、本人に代わって申請することができます。 行政書士が取次ぎできる以下の業務です。 ただし、在留資格認定証明書交付申請を取り次ぐ場合は、申請時点において申請人本人又はその代理人が日本に滞在している場合に限られます。

申請取次項目 内容
①在留資格認定証明書交付申請linkicon 日本に入国しようとする外国人について、入国目的が入管法で定める在留資格に該当していることを、法務大臣があらかじめ認定したことを証明する文書の交付を受けることにより、入国審査手続きの迅速化・簡素化を図る。
②資格外活動許可申請linkicon 就労制限や就労できない在留資格の外国人は、資格外活動許可を受けることにより、許可された活動内容、活動できる期間について収益活動をすることができる。
③在留資格変更
許可申請linkicon
在留資格を有する外国人が在留目的を変更して、別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合,従来有していた在留資格を新しい在留資格に変更するための許可申請
④在留期間更新
許可申請linkicon
在留資格を有し在留期限が到来する者が、引き続き在留を希望して更新する。
⑤在留資格取得申請linkicon 日本国籍を離脱したり、外国人の子が出生して、日本に在留することとなる場合に必要とされる在留許可。
⑥在留資格取得による永住許可linkicon 永住者、特別永住者の子として日本で出生した者や日本国籍を離脱した者について、在留資格の取得による永住を許可される。
⑦在留資格変更による永住許可linkicon 永住者以外の在留資格で在留する外国人で一定条件を満たす者について在留資格変更又は在留資格取得手続で永住を許可される。
⑧再入国許可申請linkicon 日本に在留する外国人が、一時的に出国しようとする場合、再び入国するときに必要となる。
⑨就労資格証明書交付申請linkicon 就労することが可能な在留資格であることを証明し、雇用する側の就労可能かどうかの判断を容易にし、外国人の就労を援助する。
⑩申請内容の変更申出 在留資格の許可を受けた申請内容に変更があった場合の変更申出
⑪在留資格抹消手続linkicon 外国人が帰化により日本国籍を取得した場合には、在留資格制度の適用を受けなくなりますので、在留資格の抹消手続をします。
⑫証印転記の願い出linkicon パスポートを更新した場合、上陸許可の証印などを新しいパスポートに転記します。
⑬在留カードに係わる諸手続 住居地届出、住居地以外の在留カード記載事項の変更届出、在留カード有効期間更新等在留に係わる許可の申請手続、在留カード再交付手続き
⑭所属機関、配偶者に関する届出 就労資格や「留学」の在留資格を持つ者の所属機関変更に関する届出や「家族滞在」、「特定活動」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ者が、配偶者と離婚・死別した場合の届出

adicon 当事務所は、申請取次制度による許可を受けた行政書士が申請取次業務を受任しますが、在留資格に絡む犯罪が見受けられることから、在留資格等の申請(呼び寄せの在留資格認定証明書交付申請除く)においては、ご本人と直接面談できなければ受任しないこととしております。 ご本人と面談し本人確認ができなければ受任いたしません。 特に「日本人の配偶者等」などの夫婦関係に着目しているような在留資格については、在留資格認定証明書交付申請による呼び寄せを除き、お2人共に面談する必要があります。

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