特別永住者に該当する歴史的起点
特別永住者に該当するには、以下の歴史的起点が区切りとなります。
特別永住者の該当者
入管特例法第3条の特別永住者(法定特別永住者)
平和条約国籍離脱者又は平和条約国籍離脱者の子孫で、入管特例法施行日(1991年11月1日)に、次のいずれかに該当している者は、許可申請をしないで自動的に「特別永住者」へ移行し、日本に永住することができます。
入管特例法第4条の特別永住者
平和条約国籍離脱者の子孫で出生その他の事由により上陸手続を経ることなく日本に在留することとなる者は、法務大臣の許可を受けて、特別永住者として永住することができます。
手続は、出生その他の事由が生じた日から60日以内に、居住地の市区町村長に特別永住者の許可申請 → 市区町村長は申請に係る居住地に居住しているかどうか、提出された書類の成立が真正であるかどうかを審査 → 法務大臣に送付 → 永住許可
60日を経過した場合・・・60日を経過して申請が認められない者については、「永住者の配偶者等」の在留資格を付与されることになり、下記の入管特例法第5条の申請を行うことにより「特別永住者」が許可されます。
入管特例法第5条の特別永住者
平和条約国籍離脱者又は平和条約国籍離脱者の子孫で「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「定住者」の在留資格をもって在留する者は、法務大臣の許可を受けて、特別永住者として永住することができます。
手続は、特別永住許可申請書その他の書類を法務大臣に提出することにより許可され、従前の在留資格・在留期間は効力を失います。
※ 第4条、第5条の特別永住者の許可をする場合には、「特別永住許可書」が交付されます。
特別永住者には、入管法上の「在留カード」に該当する「特別永住者証明書」が交付されます。 特別永住者許可申請の審査は法務大臣ですが、「特別永住者証明書」は市区町村を通じて交付されます。 「特別永住者証明書」の記載事項の変更届出・再交付申請受理・住居地の届出受理、住居地の記載、それら情報の法務大臣への通知は、市区町村の事務とされます。 また、「特別永住者証明書」の常時携帯義務は免除されています。
特別永住者証明書の記載事項(第8条)
・氏名、生年月日、性別、国籍
・住居地
・特別永住者証明書番号、交付年月日、有効期間の満了日
「特別永住者証明書」の有効期間(第9条)
■特別永住者証明書の交付の日に16歳に満たない者
・16歳の誕生日(誕生日が2月29日であるときは、うるう年以外の年における誕生日は2月28日であるものとみなす。)
■上記以外の特別永住者
・住居地以外の記載事項変更届出、紛失等による再交付、汚損等による再交付の申請により特別永住者証明書の交付を受けた場合は、その届出・申請日後の7回目の誕生日
・有効期間更新申請による特別永住者証明書の交付を受けた場合は、旧特別永住者証明書の有効期間の満了の日後の7回目の誕生日
「特別永住者証明書」の更新(第12条)
特別永住者証明書の有効期間の満了日の2月前( 有効期間の満了日が16歳の誕生日とされているときは、6月前)から有効期間が満了する日までの間、居住地の市町村の長を経由して、法務大臣に対し、特別永住者証明書の有効期間の更新を申請しなければなりません。
住居地の届出義務や罰則
「在留カード」同様に特別永住者も住居地の届出義務や届出義務違反・虚偽の届出についての罰則があります。 また、「特別永住者証明書」についても、「在留カード」同様に偽造・変造の罰則があります。 ただし、退去強制事由には該当しません。
特別永住者についても出国し再入国する場合には、再入国許可が必要ですが、再入国の上陸手続について、上陸拒否事由の非該当性は、上陸の為の要件とはされず、旅券の有効性のみが審査されます。 また、再入国許可有効期限は6年間で、延長は1年を超えず、かつ、再入国許可の効力が生じた日から7年を超えない範囲内で延長の許可を受けることができます。
「みなし再入国制度」導入・・・有効な旅券と「特別永住者証明書」を所持する「特別永住者」で出国後2年以内に再入国する場合には、原則として再入国許可を受ける必要がなくなります。
入管法の在留資格は、違法な在留や在留中の好ましくない活動をしたなど一定事由に該当する外国人を強制的に退去させてしまう退去強制事由が規定されていますが、特別永住者についてはその歴史的経緯から、これとは別の規定が「入管特例法」おかれ、重大な国益を侵害する行為のみに限定されています。
特別永住者の退去強制事由
外国人を新たに雇い入れた場合又は雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働大臣に届け出なければならないことになっていますが、この外国人は「入管法」の在留資格を対象としていて、「特別永住者」は適用除外されています。