在留資格 「短期滞在」

「短期滞在」とは・・・日本に短期間滞在して行う観光、業務連絡などの商用、親族訪問、文化学術活動、その他これらに類似する活動をいい、一時的に日本に滞在することが予定されているものをいいます。

「短期滞在」からの在留資格変更・・・「短期滞在」は、報酬を得る就労活動はできず、比較的簡易な手続により入国を認められていることもあって、他の在留資格への変更は原則としてできないことになっています。 また、在留期間は、90日、30日、15日の制限があります。

「短期滞在」での入国・・・在留資格認定証明書の交付制度はありませんので、査証免除国の場合は、入国の際、上陸許可申請をして上陸許可を得ます。 中国、フィリピン、タイ、マレーシアなど査証免除国以外の国の外国人は、在外公館で査証の申請を受けて上陸許可を受けることになります。

在留資格該当性(どのような人が該当しているか?)

 「短期滞在」の在留資格に該当する人は、大別すると「観光目的」、「親族訪問目的」、「商用目的」、「文化・学術活動目的」、「その他」に分けられます。 いずれについても180日以内の短期在留で、報酬を受ける活動に従事しないことが「短期滞在」に該当することになり、以下のような場合が該当します。

観光目的 ・通過、観光、娯楽、保養目的
親族訪問目的 ・知人・友人・親族等を訪問しようとする者
・在日親族の出産介護、病気見舞い・介護、冠婚葬祭等へ出席
商用目的 ・工場等見学、見本市等視察目的
・商談、契約調印、業務連絡
・販売した機械の設置・メンテナンス・アフターサービス
・宣伝、市場調査等
・短期の社内講習受講
文化・
学術活動目的
・競技会、コンテスト等にアマチュアとして参加
・民間団体主催の講習・会議等に民間人として参加
・姉妹都市又は学校からの親善訪問者
その他 ・参詣、宗教会議参加、協会設立に関する業務連絡など目的
・報道、取材など一時的用務目的
・短期間病気治療目的、大学受験、外国法事務弁護士の承認手続

査証免除協定のない国の「短期滞在」の査証申請

直接在外日本大使館・領事館へ査証申請を行います。・・・査証免除国の外国人が「短期滞在」の在留資格で日本へ上陸しようとする場合は、空港などで直接入国審査官へ上陸許可申請を行うことになりますが、査証免除協定linkiconのない国から「短期滞在」の在留資格で上陸するには、査証(ビザ)が必要となります。 「短期滞在」の在留資格には、日本国内で代理人によりあらかじめ上陸条件に適合していることを審査する「在留資格認定証明書」の交付制度はありませんので、在外日本大使館・領事館で直接査証申請を行う必要があります。

査証申請に必要な書類は、申請人に関するものについて本人が用意する資料と日本側の受け入れる者・身元保証人となる者の資料が必要になります。 日本側で用意する資料は日本から送ってもらい申請することになります。 必要な書類は大まかに、申請人の身分や滞在費用を賄うだけの経済力、受入側との関係、身元保証人の身分や経済力、滞在予定表などとなります。 申請国により必要書類が異なりますので、詳しくは在外日本大使館・領事官へ問い合わせて確認してください。

「短期滞在」の就労活動

 「短期滞在」の在留資格は就労することができません。 さらに「資格外活動許可」の申請は通常許可されていません。

臨時の報酬・謝金などを伴う一定の活動は許されます。・・・業として行うものでない講演・講義・助言・鑑定の謝金、親族・友人などの依頼による日常生活上の家事に従事することに伴う臨時の報酬や外国企業の業務の一環として行われるアフターサービスなどの役務提供などは許されます。

不法残留者が多い・・・不法残留となった直前の在留資格で常に最も多いのが「短期滞在」で、不法残留者の約7割を占めています。 査証免除措置のある国からは容易に入国・上陸できる事から、在留期限を過ぎても出国しないで不法に残留しています。 国籍別には、韓国が最も多く、次いで中国、フィリピン、台湾、タイの順となっています。

「短期滞在」の在留期間更新

 「短期滞在」の在留期間更新は、本来は認められませんが、人道上やむを得ない事情や特別の事情がある場合には許可されることがあります。 「短期滞在」の在留期間は、基本的には90日以内ですが、病気による治療のための入国、緊急入院や交通事故に遭うなどのやむを得ない事情により在留期限を超えて滞在しなければならなくなったような場合でも、180日を超えないことが求められます。

査証免除協定で認められている滞在期間にかかわらず、上陸許可で付与される在留期間は、15日、30日、90日の内で外国人の行おうとする活動(在留する目的)をカバーする最も短い期間となります。(査証免除協定により認められている滞在期間は14日以内、90日以内、3ヶ月以内、6ヶ月以内の4種類があります。滞在期間が14日以内は在留期間が15日となります。)

6ヶ月以内の滞在が査証免除で認められている国・地域・・・アイルランド、イギリス、オーストリア、スイス、ドイツ、メキシコ、リヒテンシュタインは、査証により6ヶ月以内の滞在が認められていますが、上陸許可で付与される在留期間は、最大で90日なので、90日を超えて滞在する場合には、地方入国管理局において在留期間更新手続を行う必要があります。 

「短期滞在」から在留資格変更

就労資格への在留資格変更
「短期滞在」の在留資格から「人文知識・国際業務」、「技術」、「技能」などの就労資格の在留資格への変更は、原則としてできず、一旦出国し在留資格認定証明書交付を受けて査証を取得し、再び上陸許可を受けるのが原則です。 しかし、「短期滞在」で日本に在留中に、在留資格認定証明書が交付された場合、認定証明書を添付して在留資格変更許可申請を行うと許可されています。 ただし、先の「短期滞在」の査証申請や上陸について、真実の滞在目的を隠していたと疑義をもたれるような場合には許可されないこともあります。

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」への在留資格変更
在留資格認定証明書不要で「短期滞在」から在留資格変更が許可されます。 例えば、以前に日本での在留期間があり婚姻に至るような交際があるような場合には、日本人との結婚を目的として「短期滞在」で上陸許可を受けた後、婚姻を成立させ、婚姻の信憑性について疑う余地がないようなケースについては、「日本人の配偶者等」への在留資格変更は認められています。

在留資格認定証明書が取得できない在留資格を取得しようとする場合
「特定活動」、「定住者」の在留資格は、法務省告示に該当している場合には在留資格認定証明書交付により査証を受けて上陸許可されますが、「特定活動」、「定住者」の在留資格が認められるようなケースであっても、告示に該当していない場合には在留資格認定証明書の交付を受けることができません。 このような場合には、「短期滞在」で上陸許可を受けた後、在留資格を変更することにより「特定活動」や「定住者」の在留資格を取得します。 

親の呼び寄せ(連れ親)
就労資格で在留する外国人の親を呼び寄せる場合は、法務省告示には該当していない為、「短期滞在」の在留資格で呼び寄せ、その後「特定活動」の在留資格に変更します。 変更の要件としては、①おおむね65歳以上の実親で、②本国に配偶者や他の実子がおらず扶養する者がなく、③日本で扶養する在留資格をもつ外国人に扶養能力があることが必要となります。

他の在留資格から「短期滞在」へ変更

大学卒業後も継続して起業活動を行う留学生・・・卒業後の継続在留について、大学の学部又は大学院を卒業・修了後180日以内に、会社法人を設立・起業して在留資格「投資・経営」に在留資格変更許可申請を行うことが見込まれる留学生については、卒業・修了した大学による推薦を受け、起業に必要な資金、店舗・事務所が確保され、大学による起業活動の把握・管理を行う措置が講じられている等の一定要件を満たせば、「短期滞在」への在留資格変更を許可し、更に在留期間更新により最長で卒業後180日間滞在することが可能となります。

<参照クリック:「留学」>

就労資格からの変更(失業等により職を失った場合)
雇用状況悪化による解雇や雇い止めにより(自己都合でなく)失業を余儀なくされ在留資格更新ができなくなった場合には、「短期滞在」に変更することができます。 さらに、在留歴が長く、当面の在留に支障なく生計を維持することができ、在留を認める必要性があると判断されれば「定住者」への変更が認められることもあります。 この場合において、一定年数の継続在留が求められるため、「再入国許可」を取得して出国することの重要性が認識されると思います。

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